イッタラ・カルティオ。シンプルの完成形

iittala

イッタラ・カルティオ。

北欧の食器を語るにあたって、このグラスを外すことはできません。

形は口から底に向かってすぼまっていく、いわゆる普通のグラス。この一見何の変哲もないグラスがなぜこれほど人気なのでしょう。

いわゆるグラスのデザインの始まり

このグラスはなぜこんなに普通なのか?

答えは、このグラスの誕生が世界のスタンダードになったから。世界中のシンプルなグラスが、このカルティオのコピーデザインといってもいいくらい。

1950年代、北欧デザインの巨匠カイ・フランクがこのデザインを発表しました。それまでのグラスは、実用性よりも華やかさが重視され、装飾が施されていたものが主流でした。

しかし彼は、一切の装飾を取り払い、ガラスの透明感と丈夫さ、持ちやすさを最優先としたデザインをこのグラスに与え、食器としての本来の美しさを表現しました。

ガラス素材にこだわるからこその透明感

カルティオは、イッタラのガラス食器の中では、割とお手頃な価格設定となっています。それは、カイ・フランクのテーマ「日常生活に溶け込むデザイン」を実現するためでした。

シンプルだからこそ製造がしやすい。大量生産できるからコストを抑えられる。

価格がお手頃なら普段使いになり、フランクの願う「日常生活に溶け込むデザイン」を実現することができるからです。

唯一こだわっているのがガラス素材。

透明感と艶やかさが出るガラス原料を世界中から取り寄せています。また、色を付けるための顔料にもこだわり、透明感と強度を損なわないものだけを使用しています。

そのため、カルティオはカラーによって価格に違いがあります。特に暖色系は価格がやや高め。これは暖色系の顔料をガラスに入れるのが非常に難しく、どうしてもコストがかかってしまうためです。

赤・オレンジなどの「透明ガラス」のグラスというのは、イッタラの職人技術の粋が凝縮されているのです。

本当に美しい。私も普段使いで使っていますが、氷と水を入れると思わず窓際において日の光を通し、うっとりと見とれてしまいます。

無駄をそぎ落とし、必要なところにこだわる。デザイナーとガラスメーカーのこだわりが見事に融合した作品がこのカルティオなのです。

家族に受け継がれる不変のデザイン

長く使える丈夫さをカルティオは持っています。我が家の3個のカルティオは10年以上が2個、息子が生まれてから買った5年物が一個。細かな傷はありますが、欠けや割れはもちろんありません。

とにかく丈夫。食器洗い中に思わずシンクに落としてしまうことが何度かありましたが、無事でした。シンプルなデザインで余計な突起がなく、ガラスも厚めで均一なのが良いようです。

だから、永く使える。

そして、不変のデザインは、家族が増えたり、万が一割れたりしても買い足しができる。これも大きなポイントです。

あなたも暮らしにカルティオを迎えてみませんか?

コメント